城崎温泉の西村屋、ChatGPTで販売施策づくりを30分から10分に。観光庁の実証
城崎温泉の旅館・西村屋は、国土交通省観光庁の令和6年度実証事業で、GPT-4oを使った3つの業務(ChatGPTのGPTs機能など)を試しました。観光庁の報告資料(令和7年3月)によると、飲料提案づくりは30分から1〜2分に、多言語での案内文づくりは20分から1〜2分に、売上増加施策の立案は30分から10分に短縮されました。
文=編集部2025年3月
30分 → 1〜2分
飲料提案づくりの所要時間
20分 → 1〜2分
多言語での案内づくりの所要時間
30分 → 10分
売上増加施策の立案の所要時間
COMPANY
西村屋
兵庫県|旅館(城崎温泉)|西村屋本館 従業員91名、ホテル招月庭 従業員209名(2023年実績)
城崎温泉の旅館です。創業165年の「西村屋本館」(客室29室)と、「西村屋 ホテル招月庭」(客室98室)を運営しています。
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BEFORE導入前の課題
インバウンドの売上を伸ばすため、夕食時などにドリンクやお土産を勧めたいものの、従業員ごとに提案力や語学力に差があり、機会を逃していました。客室係は1人で複数のお客様の配膳・料理出し・追加ドリンクの確認を行うため、自らデータを見て提案することが難しい状況でした。また、売上・客室稼働率・シフトなど複雑な要素を踏まえた販売施策の立案は、属人化して稼働量も多くなっていました。
ACTION取り組んだこと
PMSデータ(宿内の販売実績)と、DMOが持つ豊岡市へのインバウンド旅行者のアンケートデータをChatGPT(GPTs機能)で分析する仕組みを作りました。使ったモデルはGPT-4oです。時間のない従業員でも使えるよう、ボタンを押すと処理が進む画面にしています。
試した業務は3つです。(1) 宿泊施設の売上データ等を活用した飲食サービスの提案:お客様の国籍に応じた追加ドリンクを提案します。(2) 多言語翻訳による飲食サービスのレコメンド:(1)で出した提案を、翻訳文と発話内容として多言語で出力し、客室係が案内に使います。(3) 需要予測データ等を活用した売上増加施策の提案:売上や在庫の目標・実績データなどを分析し、販売戦略案と予約状況からの注意事項を提案します。
AFTER成果
(1) の飲料提案づくりは、個人のノウハウに依存していた業務が30分から1〜2分に短縮されました。データ分析に詳しくない従業員でも同程度の精度で実施でき、業務の平準化も実現したとされています。(2) の多言語の案内づくりは、20分から1〜2分に短縮され、語学力のある従業員でなくても同程度の負荷で実施できるようになりました。中国語のネイティブから見ても違和感のない出力だったという現場の声が紹介されています。(3) の売上増加施策の立案は、30分から10分に短縮され、DMOの需要予測データを組み合わせることで経営の高度化も実現したとしています。
課題も報告されています。「生ビール」と「ビール中」を別の商品として数えるなど表記揺れによる重複が出たこと、どの国籍でも「ビール」「冷酒」など意外性のない商品が上位に出やすかったこと、繁忙時間帯に約1分の出力待ち時間が負担になるという懸念などです。
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出典:国土交通省 観光庁「参考①:生成AIの効果的な活用に係る実証結果(令和6年度 観光DXにおける生成AIの適切かつ効果的な活用に関する調査事業)」
本記事は出典の内容をもとに編集部がまとめたものです。数字・成果は出典の表現に沿っています。