お宿 欣喜湯 別邸忍冬、ChatGPTでPMSデータの分析・考察を半日以上から15分程度に。観光庁の実証
北海道の旅館「お宿 欣喜湯 別邸忍冬」は、国土交通省観光庁の令和6年度実証事業で、GPT-4oを使った3つの業務(ChatGPTのGPTs機能)を試しました。観光庁の報告資料(令和7年3月)によると、従来は半日以上かかっていたマーケティング施策の検討材料づくり(PMSデータの集計・分析・考察)が15分程度に削減されました。
文=編集部2025年3月
半日以上 → 15分程度
PMSデータの集計・分析・考察業務
全体の7割程度が完成
シフト案の完成度
COMPANY
お宿 欣喜湯 別邸忍冬
北海道|弟子屈町|旅館(北海道・弟子屈町)|従業員数58名(2023年実績)
硫黄山のふもとを泉源とするかけ流しの温泉と道東の海の幸・山の幸が人気の旅館です。客室数は73室です。
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BEFORE導入前の課題
慢性的な人手不足と、季節ごとの観光需要の変動が大きいエリアで、業務ノウハウや稼働が特定の従業員に集中していました。データ分析やマーケティング施策づくりは人材と時間の不足で十分にできておらず、フロントの多言語対応の質や、正社員のシフト作成の負担にもばらつきや逼迫がありました。
ACTION取り組んだこと
3つの業務に、ChatGPT(GPTs機能)を使いました。
(1) アンケートデータ等を活用したマーケティング施策の提案:DMOが持つインバウンド旅行者向けのアンケートデータと、宿のPMSデータを生成AI(GPT-4o)で分析し、ペルソナ像の作成、売上状況の分析、プロモーション資料案の出力を行いました。複数のマーケティングの既存フレームワークを組み合わせて分析させる工夫もしています。
(2) 多言語翻訳によるフロント業務の効率化:チェックイン時の「夕食時間」「連泊時の清掃要否」の確認を、ボタンを押すだけで英語などの案内文が表示される形にしました。案内文は事前に翻訳アプリ等で翻訳したものをシステムプロンプトに組み込んでいます。
(3) 従業員のシフト案の作成:宿泊人数データとシフト作成ルール(必須・推奨)を渡し、GPT-o3-miniで1か月分のシフト案を出力しました。
AFTER成果
(1) 従来は半日以上かかっていた「PMSデータ集計・データ分析・考察業務」が15分程度に削減されました。他の従業員でも同程度の出力精度になるため、業務の平準化にもつながると考えられています。現場責任者からは「マーケティング施策検討時の選択肢に含めるに値する施策案が出力される」との反応がありました。
(2) 実証期間中に実際にフロントで2組の中国人旅行者に使い、普段多言語対応をしていない担当者から「精度・速度ともに問題なく、スムーズにチェックイン対応を行うことができた」とのコメントがありました。
(3) シフト案は全体の7割程度が完成しており、実務で十分活用可能な範囲だったと報告されています。
一方で、データの誤りや欠損があってもエラーを出さずに最後まで処理してしまう場合があること、元データを手動で更新する必要があることなどが課題として挙げられています。
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出典:国土交通省 観光庁「参考①:生成AIの効果的な活用に係る実証結果(令和6年度 観光DXにおける生成AIの適切かつ効果的な活用に関する調査事業)」 P3〜P25
本記事は出典の内容をもとに編集部がまとめたものです。数字・成果は出典の表現に沿っています。